- 葬儀について6-1
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今回はもうすぐ初盆を迎えられる喪家の皆様に、初盆はどうすべきかをお知らせします。近年では、核家族や実家との距離が遠い為の行き来がほとんどなく、仏事の催し事をどうすればいいのか、迷ってお聞きに来られる方が多くなってきました。そこでいくつかの質問にお応えします。
1,初盆とは、初めてのお盆(都心部や都会の中心部等は新盆といい、7月の15日までの3日間をいい、地方の大半が8月15日までの旧盆のことをいいます)のことで、故人が無くなられてから一般に七日毎の法要を四十九日まで行って、その時点で忌明け(満中陰ともいう)の法要を行い、亡くなられた時期にもよりますが次の法要が初盆ということになります。ただ時期によっては、その間に百か日がありそれを終えてからということもありますが、一般の流れでは忌明け後が「初盆」ということです。
2,初盆に用意すべき仏具や供物等
ここでは8月の盆(つまり地方での旧盆)について、ご説明しましょう。地方によってもその風習が異なりますが、地元の天草市(同じ地元内でも風習の違いで若干のやり方は変わります)の昔からの一般的なものをご紹介します。初盆にお参りにお越しになられる方は、葬儀時にもお参りいただいた方が大半ですが、葬儀を知らなかったので参りたいと来られる方も意外に多いのです。そういう方々のためにも、初盆の用意は早目にしておいた方が慌てなくてもいいのです。
3,まずは新仏(新しく仏様になられた、また初盆をしてもらう方)様が仏の世界から戻ってこられて、盆の3日間(8月13日~15日)い鎮座される段を新たに作ります。その段は2段~3段が一般的で、また宗派によっては仏壇や仏間のみで行うこともあります。ここでは段を作った場合には何をどうすればよいのかをご説明します。まずは段(葬儀後に段ボール製や木製の簡易なもの)を忌明けまで使用されたかと思いますが、その段を使用した方が簡単です。葬儀社が「3回忌迄はこの段は取っておいてください」と伝えてあるはずです。もしうっかりと処分されてたら、新たに葬儀社にて購入や借用をしなければなりません。また仮に仏壇があるから別にいらないと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、仏壇は仏様(ご先祖)の宿られる家という位置づけですので、仏壇を代用するのはおかしな事です。
4,仏壇の前に段を設置し、新仏様のみの準備を行います。まずは遺影写真を1番上の段に設置し、次の段には供物(お菓子や果物や故人の好物だった物、それに花瓶に花等)を端には1対(2ケ)で中央には1つづつ置きます(ここで段が2段の場合はこの前に経机や前机を置きここには線香立てや火立てなどを据えます)3段の場合は、この両端に花飾りや花瓶に花等を普段より多めに設置すれば、形はできます。
5,段飾りの周辺は、天井からは下げ提灯。真横には行灯を両側に設置し、盆前に頂いた品物(果物や線香・ローソク・お菓子等)を置きます。そして最後は、お参りにお越しになられた方への感謝の気持ちの品(初盆返礼品等)をお渡しするために、あらかじめ準備しておくのです。
6,お参りにお越しになられる方は、早くは10日くらいから遅くは14日までお参りが絶えませんので、そこで留守番される方は大変ですが、仏事最初の新仏様をお迎えしてお送りするための儀式ですので、頑張ってください。15日を過ぎると宗派によっても異なりますが、精霊船を流しに海へ行き、潮に乗せて流します(最近は海の汚染物質ということで木製の船を流すと回収しなければなりませんのでお気を付けください)。そこで見送って、家に戻り家族で思い出を話し合って終了です。